池袋にて

池袋、俺が育った隣町。
街に活気が在るからよく遊びにも言った。
といっても中学頃はお金もないからハンズをうろうろしたりするのが関の山だし、この写真の場所辺を良くうろついたものだ。
まだIWGPなんていうはやりの名前も無かった頃だし、実際にカラーギャングが喧嘩し合ってる頃でもない、もう少し平和な池袋をよく闊歩したものだ。
もっとも、地元の方がその頃はヤバい事になっていたのだけれど、当時の俺はそんな中で平凡にのほほんと生きていた訳で、今から考えると度胸が据わってたんだなって思ったりもする。
(*istDs DA21f3.2 f=4.5)

選択をする。

撮影地は四ッ谷の交差点だ。
まだ寒くなりたてのころ11月の終わり、夜11時くらいだろうか。
この時間頃になると、民家の少ない四ッ谷はめっきりひとも減り、どこかを目指すひとが通り抜けると言った感じに町の姿が変わる。
四ッ谷ではわりと小さな店もちょこちょこ夜中も明かりをつけてるし、飲み屋なんかで楽しく飲みにもちょうどいいのだが、日曜は少しメランコリックな気分さえする。
(撮影:*istDs,DA21f=3.2 ISO200 f4.5,)

知らないところにもドラマはある。

あなたの知らない部分、道ばたや、それこそブロック塀の割れ目にさえドラマは在るのだと思う。
ただ、足を踏み入れて出会ってみるまでは、全く認識外の事で、
それらは、一生であわなくても、
それらはそれらで幸せにやっているんじゃないかとも思う。
袖振り合うも多少の縁。
ココであったのも何かの縁ですからと一枚撮らせていただいた。

12月が去れば

12月、小さい頃から苦手だ。
ディズニーランドやクリスマスと言うのはどうも苦手なのかもしれない。
まぁ、昨年の年末と考えると、あまり良いものではなかったが、
意思表示をもったということでは良いものだったのではないかと思う。
そんな年末だった。
それくらいしか言う事は無いようにも思う。

夕暮れを追う心境

夕暮れを見ると、シャッターを切ってしまう。
条件反射のようなもので、僕はあまり夕暮れが好きじゃない。
少しセンチメンタルすぎるし、
少し思い出の中に引き戻されるようで、
澄んだ空気の中、知らない街の人々の乗る車を見届けながら、
彼らの生活を思い浮かべながら、泣きそうなくらい奇麗な空を見る。
仕方ない、シャッターをきりまくろうじゃないか。
納得の行くまで対峙する。
センチメンタルというステレオタイプなものにではなく、
僕の中にある、まだ純真だった頃、
北海道に憧れて走り回った頃の気持ちに似た何かを思いながら、
今できる事、
シャッターを切る事に心を馳せた。

花を撮ると言う事。

花を撮ると言う事。
これは、気づいたひとだけの楽しみだ。
花を植える事、花を育てる事、花を贈る事、花をもらう事に等しく
そして、花を撮る事は少しだけそれらより心躍る狂気の世界に近い。
花を見ると興奮に近い何かが起こるのだろう。
昆虫や動物たちに花粉をつけて行動してもらうように
草木は自分たちに花をつけた。
俺らはそれを喜んで眺める。
どこか、誘惑されていると言うか、
なにか、感じ入るものを彼女らは持っているのだろう。
古くからそれらを友好の印や、愛のささやきに添えて持っていった訳だが、
写真で撮ると言う行為は、その草木の頑張り、
彼女らの生命をかけて行動している謀略の一番最たるところを
映像として忠実に切り取ってしまおうと言う事なのだろう。
もう、むちゃくちゃだ。
たとえば、求愛をしている必至のペアリング現場を写真いとっているようなもの。
相手が人間だったら、ぼこぼこに殴られても仕方が無いかもしれない。
けなげに花を咲かせる彼女らを前に。
俺らは何をやっているのだろう。
もう、さっぱりわからない。
しかしだ。
しかし、シャッターを切ってしまう。
これは彼女らの仕掛けた罠の別の方向性なのかもしれない。
彼女らのいた事、彼女らの姿を俺は忘れないし。
彼女らの姿を世に見せて、少しでも心打たれるようにしむけ、
彼女らを見つけたときに保護するようにする一助になっているのかも知れない。
俺は、彼女らに片棒を担がされているのかも知れない。
まぁ、同じ担ぐ片棒なら、奇麗に撮ってやりたいなとも思う。
ふと通りかかった、たまたま通りかかった山形のサクランボ園の道の中をひたすら歩いているときに、この小さな花に出会う。
およそ、花弁は一ミリ大しかないけなげな花、風にそよぐちらちらと。そんなはかない花を前に、俺は足を止めざるを得なかった。

バスの多い街

西新宿近辺はバスが多い。
都バスや、国際興業バスなどだけではなく、ありとあらゆる場所からやってくる高速バス、観光バス、外国人向けの観光バスなど。
外国人向けのバスは、俺らが住むおよそ観光とは縁のないダウンタウンまでにやってくる。
全く困ったものだ。
なんでも、免税店が雑居ビルの中にあるそうで、そんな訳で、西新宿近辺の住宅街は昼になると観光バスの溜まり場になって、空挺部隊のような外国人をバラバラと投下しては走り去るようにいなくなり、時間が来ると強襲揚陸艦の様に路肩に横付けし、彼らを回収して走り去る。
中々手慣れた事をやってくれる。
もし、西新宿のダウンタウンに昼間くる事が在ったら、コンビニなどで彼らに出くわす事になるだろう。
そんなときは、バブルに涌くかれらを観光するに限る。
俺らも数年前までは、そういう生暖かい目で見守られていたのだろうから。
ただ、そこにある生活は壊さないでほしいものだ。
免税店ももっときらびやかな場所で観光とともに在ってほしいものだ。
観光客らも、何もする事の無い場所で突如おろされて困惑しているものもおり、とにかくお互いにあまりハッピーではないことは間違いない。
ビジネスありきだから仕方ないのだろうが、どうにかしてほしいものだ。

2007年の夏だ

久々に北海道に行く。
ツールド北海道の一般の部に出場していた頃からだから、およそ10年ぶりくらいになるだろうか。
初めて行く稚内。
寂れた感じのある町だが、夜空の澄み渡る空気は心洗われるものがあった。
このそらは、その夜へと続く始まりの頃。
温泉場を外にでてバスを待つつかの間の時間に撮影したものだ。