終電、乗り継ぎ
ひと駅分別の列車に乗るのだけど
乗り込むとメガネを掛けた背の高い女性がうつむき鼻をすすってた。
黒縁のフレームメガネの中、
涙を溜めて一瞬目が合う。
乗り換え前にドクターペッパーが噴出したことなどスパッと忘れる程インパクト。
ショートカットのパンクスタイルな綺麗な娘。
指がスラッとしてて白い。
月曜の夜から涙を拭うって…。
インナーがわりのタンクトップと揃いの黒のタオルハンカチが
涙を吸収してはまたすぐに止めどなく瞳から涙がこぼれ落ちる。
いま思い出せば僕が高校の頃好きだった娘が丁度あんな泣き方をしてたっけな…。
空梅雨の終電車にはナミダアメ。
そんな夜だ。