広告と定着と手作業

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広告は1990年代の終わり頃デジタル化を果たし、定着のレベルがグッと上がったように思えた。
再試行がしやすくなり、作業のうまさよりもデザインセンスが問われるようになった。

あれから約20年。
少し様相が変わってきたように思う。
デザインセンスは上がったのか、世の中が少し2010年代に慣れてその雰囲気を汲んだデザインになったのか。
まぁ、デザインは置いておくとしてだ。
広告としての定着の質がやたらに下がったように思う。
特に交通広告が酷い。
このタワミようだ。
テープでテキトーに繋いでる。
湿気ってタワムのは解る。
ただ、限度を越している。

こんな定着になる広告枠に誰がお金を払うのだろうか?
デジタル化で忘れられた紙選びの問題も有るが、おそらく手作業でこの枠にはめ込む作業員の質が下がったのだろう。
専門の業者ではない誰かがやっているのかもしれない。
デジタルサイネージに全部が変われば話は一変するが、どうも国力の停滞か何かが問題で一挙に駅のポスターがデジタルサイネージになる事はないようだ。

と、いう事はしばらくこのヨレヨレの低レベルな駅貼りB倍広告を目にし続けることになるのだろう。
もっとも、コレはターミナル駅では少し様相が違うのかもしれない…
(確か東京メトロではこんなだった気もするが)

広告に夢がないって思えるのは、こういうほころびが重なりモノとしての説得力や存在感が薄れているからとも思う。

整然としたヨレの無いグラフィック。
当たり前に思っていたが、中々難しい世の中に来てしまったように思う。