初心者マーク

タイトなスカートを履いた娘さんが、
西新宿五丁目のエスカレーターをノシノシ歩みあがってく。
白地に緑の葉っぱがシンメトリーに二枚ならび、そのマークがスカート一面にビッシリだ。
…どこかで…
ぁ、初心者マークだ。
そう、初心者マーク。
夜を登りつめる初心者マーク。
ハイヒールと初心者マーク。
まばゆい緑の初心者マーク。
…もう頭の中は目の前のスカートは
「初心者マークという認識の方向で。」
そういった役所的な取り決めがなされた、決済印がずらり捺された稟議書のように定型化したアイコンの様に頭に染み渡る。
…ブランドとか色っぽいとかハモンみたいだとかそういう話しじゃなくなる。
初心者マーク
初心者マーク
初心者マーク…。
ノシノシと肉感的な、だがしかし初心者マークがエスカレーターを登り行く。
何の初心者なんだろうなぁ。