売国奴の持参金(フレデリックフォーサイス)を読む

080910_0013~001.jpgフォーサイスを読むのは2冊目だ。
友達の勧めでフォーサイスを1冊読み展開の妙が面白かった。そこでフォーサイスの本をBOOK・OFFでまとめ買いしてみたわけだ。
売国奴隷の持参金は、イギリスのスパイもので、
MI5やSISが頻繁に登場する。
イギリスでスパイと言えば、真っ先にジェームズボンドが連想される気もするが、変形するアストンマーチンやBMWは登場しないし、そんなにスノビーな生活は本書には有りはしない。
ジャガーやメルセデスが良く出て来るが派手なカーチェイスは無い。
冷戦と言う過去。忘れてしまった平和ボケした、既に理解し難い非日常の中に連れだしてくれるところが特筆すべきところかも。
あの時代が持つ一触即発なピリピリした雰囲気、中年が主役だった世界。
問題が有るとすればアクションが思いの他少ないこと。
フォーサイスの本に一様に見られる部分かもしれないがアクションより展開。登場人物のいずれも理知的で静か。そんな印象をどうしても抱いてしまう。
恐らく、筆者の筆が場面描写をそれほど好まないことと、饒舌な喋りもパッションのある不意の発言も聞かずに普段から過ごしていること、そしてサスペンスやハードボイルド、冒険ものより推理やゲーム的な心理が好きなのだろう。
日本のミステリー小説は静かではないし行き過ぎた感のある演出やアクションが多すぎるきらいもある。
さて、友人にはマーロウを勧めておいたが、物静かな世界だがパッションに満ちた世界は好まれただろうか?
次はドライで血生臭い、馳星周の長恨歌を読もうかと思ったが、その前に日本のSF界の割りと新星?海猫沢めろん氏の『零式』を読もう。
これはBOOK・OFFではなく、八重洲ブックセンターで指名買いした一冊で、大いに期待している。