こうも暑いと眠れない。

体は疲れている。
2台の扇風機は規則正しくかぜを運ぶ。
池袋に住む好きだった女が頭のなかで呟く。
本を読んで3時まで起きてた…か。
20年近く前のこと。
好きな女の顔、声、仕草はいつの時代も消えないものだな、とも。
そう、本なんて読んでも眠れはしない。
今までとは違う。
面白い好きな本は特にだ。
さて、独り身が長い俺には、朝まで時間を忘れる女もいない。
テレビは飽きた。
Macは触りたくない。
海で焼けたか、夏の熱気が体からにじむ。
今日見た星空は関東のはずれならではだなと。
花火はみなかったが、それ以上の価値を感じた。
明日は田舎のメンツも暑さでダメになったらしいから、今夜は気楽かもしれない。
英語教師ミッキーが亡くなったんだそうだ、
家では珍しいことだか、少し飲みたいな。
少し飲んで寝ようか、
コーラとレモンでも買いに、夕涼みと行こうか。
夏は好きだが、少しばかりこの暑さは大袈裟じゃないかとも思う。
たまにはクーラーでも効かせようか、そんなことを朦朧と思いうかべる。
ただ、ただ夏を肌で感じていたいだけかもしれない。