キンドルとiPadが何を殺すか?

電車に揺られ帰る道すがら、情報収集と話題づくりにとチェーンの古本屋で文庫を買い込んだ。
恐らくこの数年後にはチェーンの古本屋というのがヤラレるだろう。
●ニューウエーブを見極める
インターネットの次、ネット社会のステップ2が始動だ。
インフラが整い中身の流通が本格始動しようとしている。
新しい動きに合わせて、古いものの破壊も始まるだろう。
キンドルやiPadがまともに日本に上陸した場合、音楽でiPodがもたらした以上の破壊が生じるだろう。
・本屋がヤバイ
・紙屋がヤバイ
・印刷屋がヤバイ
・本の取り次ぎがヤバイ
・出版社がヤバイ
・BOOK・OFFがヤバイ
・サブカルヤバイ
●何がどうしてヤバイか。
ヤバイヤバイ言ってもディテールや、そのヤバさの出方がそれぞれ違う。
どこがどうヤバイかを軽く予想…。
(話は軽くないね…)
・本屋がヤバイ
リアル本屋はヤバイだろ。
雑誌はコンビニ。
単行本・新書・文庫は流通が簡略なキンドルやiPadに行くだろう。
既存の本屋はかつてカメラ屋(紙焼き屋)がたどった様な雑貨屋的な業体変化を経て朽ちるだろう。
一部デジタルデバイド向けの本が残るかもしれないが、流通出来なくなり朽ちるだろう。
(いま新聞配達が朽ちる最中らしい。某新聞社系列配達所が新聞各紙を一括で配達してるらしい)
・紙屋がヤバイ
雑誌もネット配信だ。
デバイスが出来て初めて紙資源フリーな世の中に成るのかも。
(返本が減ればなおエコだよな)
・印刷屋がヤバイ
大手はもう別業体、別なドメイン事業を見つけたりしてるが、幾つかの会社はヤバイんだろうね。
本としてはもう刷る必要が大きく無くなるわけだしね。
そういやeインクとか電子ペーパーって呼ばれてるものを15年位前、彼ら大手印刷会社に見せてもらったことがある。
あれから15年…自社で持ってる技術だが、ついに自分らの手ではパンドラの箱を開けなかったんだな…と残念な気にさせられた。
・本の取り次ぎがヤバイ
ネットの速さと安さには勝てないだろ?
権威崩壊で豊かな文化が生まれるんじゃないか?
・出版社がヤバイ
編プロ丸投げ、ライター無しなとこはヤバイんじゃ?
企画力や勘がある方はどんどん開業するだろうし、だから個人や有能チームは悪くないが社畜がうろつく様なデカイとこはオジャンとかありそうね。
・BOOK・OFFがヤバイ
売る本が無くなる。
音楽は未だCDがあるがあれはビットレートの低いMP3が主流になったからで、付加価値の少ない本は急速に無くなるだろう。
(CD屋もかつてのタワレコやディスクユニオンみたいなキラキラ感はなく色褪せた感が強い)
・サブカル?ヤバイの?
便利になるし同人誌も売れるようになりそう。
良いんじゃないの?
●だが実際は…
レコードがCDになりMP3になったがレコードもCDも無くなりはしない。
だから紙の本もなくならない。
デジタルデバイドや貧民、もしくは解雇主義者や局地においては紙の本は残るだろう。
まぁ何割かはデジカメ襲来における紙焼き屋みたいな廃業を迫られる業体もあるだろうが、世の中それほど急激じゃないし世の中それほど残酷でも無いかなと誰もが経験的にこの20年位で潮流のうねりについては学んだのではないか。
(壊れていく既存環境をうまく乗換えれば良い)
斜陽産業と言われた広告屋だってこんなに忙しく働いているんだしね。(いま帰宅の徒)
●本当に壊れるものは
何も産業の衰退を煽っている訳ではなく、
一方では勘の良い編集者みたいに稼げる様になるやつも出るはずだという明るい話もある。
しかもどこもそれほどクリティカルじゃないし。
で、本当にヤバイやつらは出てくる。
●本当にヤバイヤツ
本当にヤバイヤツは…
サブカルの連中だ。
「お宅」と呼びあってたトラディショナルなオタクは今の40位が最後の世代だと思うが、ネット全盛を迎えぬるいオタク(消費者・品評家としてのオタク)は増えたが、探求心や創作に花をさかせ作り出すオタクはいないようだ。
コミケやワンフェスの卓に座るメンツが年々平均年齢を上げているというのだ。
つまり、品評や批評、収集はするが創作をしない消費者が増えてるだけで作り手がいない…と。
サブカルはメインカルチャーとは違う論理で進むものだし、独自性を求めて地を這うのが楽しいものだが、どうやらある年以降そうはなっていないようで。
それがネット全盛元年の1995年あたりにあるのでは?
他にはアダルトものもインフレ化してるし、こちらもサブカルではなくなり、LANケーブルの先に転がるものになった。
音楽もベストテンやトップテン、カウントダウンTVではなくLANケーブルの先に転がるものになった
つまり…少々短絡的かもしれないが…ネットにより広められ、開拓(既存ビジネスを蹂りん)された分野は急激に魅力を失い平坦でビジネスをしにくい世の中になっていくのではと仮説がたつ。
(例外的に写真趣味は繁栄してるように思える。そこには、デジカメができて写真がたのしくなくなった部分も何割かはあったのだけど、写真がネットやデジタルと相性がたまたまよかったからだと思える。)
●さらば文学…
キンドルやiPadが出てきて始まるのは本に関しての文化やサブカルがヘタることが起きるんじゃないか?ってこと。
なんとなく手軽に、文壇のオッサン方に媚びなくてもAmazonに作品出せちゃう、権威やレベル感が希薄になってどんどん本の様なものが出るわ出るわ…
権威や実力などある種の壁があって水準が出来ていたが、これからは違う。
ネットでは拍手や☆でぬるい評価がきまる、しかも品評は価格コムみたいに声を出したヤツの量で決まったりする。
(工作員が流行るな…)
●あたしカノジョがあるだろ?否。
すでにケータイ小説が売れているが、あれはケータイで読むから楽しいスナック菓子だ。
キンドルやiPadなど本の代替デバイスがキチンとできた以上その内容は本に近いそれになって行くだろう。
本格的にキンドルやiPad向けの文学が出てくるということだ。
●船出
キンドルやiPadに踏み荒らされる人々もそうでない人々も、どうせ進む道だし
それならひとつドンと進んでみませんか?ってね。
文学系カルチャーがぬるくなると僕は予想しますが、そんなのどこふく風。
新しいデバイスや新コミュニティには新しい遊びやイノベーター同士が作る面白い世界があるからぜひぜひ突っ込んでみようじゃ有りませんか!
なんてちょっと持ち上げてこの投稿は〆るとします。
キンドルは本として成長するだろうけど、iPadはどんなものになってくんでしょうねー

“キンドルとiPadが何を殺すか?” への2件の返信

  1. DON'T CARE WHO KNOWS THAT Ovall

    『DON’T CARE WHO KNOWS THAT Ovall』まだ音源も出ていなかった、2009年朝霧JAMでなかなか気に入った方達のアルバムが発売されたのでゲット

  2. 週刊ダイヤモンド:ビジネス雑誌といえばまずはこれでしょう!!

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